木造建物の定期点検のススメ

木造建物の定期点検のススメ

建物の点検等は行っているでしょうか。一般的には施工者による1年、2年、5年点検などが行われていますが、長持ちする建物にするためにも日頃の定期的な点検をおすすめします。

定期点検は、可能であれば1年に一回、できるならばそれ以上行ってみてください。変化に早く気付けることで大規模な修繕等を避けることができます。定期点検の時期は、梅雨や落葉の時期が過ぎた頃、また地震や台風、大雨の後などに、変化がなかったか点検すると有効です。

 

■定期点検を行うにあたり

建築関係者ではなく一般の方々が日頃の点検として行うことを想定していますので、点検するにあたり危険な行動は絶対に行わないようにしてください。(床下にはいる、天井裏に入る、屋根にあがるなど)

※調査内容は、図面へのメモ、写真、メジャー等で記録して大切に保管しておきましょう

 

■床下点検(基礎、土台等)

【点検方法】

点検口入口から覗いて床下を確認

※床下点検口が無い場合、床下収納庫を取り外すなどすると確認できます。

【点検項目】

主に基礎や土台を確認してください。

・基礎のひび割れ、錆汁等の不具合の有無

・布基礎の場合、床下地面や基礎表面に白い針状の結晶の有無

・蟻害の有無(蟻道:幅10㎜程度の土の筋状、また、土台等の空洞化)

・腐朽の有無

・水の濡跡、水漏れの有無

 

■外壁の点検

地上から目視で見える範囲、また、手で触れる範囲を点検しましょう。

 

【点検項目】 

◇サイディング

・サイディング継ぎ目のシーリング・コーキング材の目地痩せ、はく離、亀裂、破断、剥がれ、シーリング塗装部の割れ

・サイディング表面を触ると白い粉が手につく(白亜化(チョーキング))

・亀裂(クラック)、欠け、割れ、こすれ傷、反りや隙間がないかの有無 

・色あせ、色落ちの有無 

◇塗壁、モルタル壁 

・ひび割れの有無 

・カビ、藻の有無 

◇タイル貼 

・ひび割れの有無

・目地モルタル詰め部のひび割れの有無 

◇板貼り 

・腐朽、蟻害

・反り返り、ひび割れ、欠け、隙間の有無

・塗装の劣化の有無

 

■室内の点検

【点検方法】

目視等で確認

【点検項目】

◇床

・床材の著しい劣化の有無

・床の著しい沈み、また、傾き、きしみ音の有無

・玄関土間のタイル等の汚れ、割れ、剥がれの有無

◇壁

・内壁の著しいひび割れ、傾き、隙間の有無

・内壁の水シミの有無

◇天井

・天井のひび割れ、うき、はらみの有無

・天井の水シミの有無

 

■小屋裏点検

【点検方法】

天井点検口入口から覗いて天井内を確認

※断熱材を動かしてしまう可能性も考えられますので、点検口の開け方を施工者に確認しておきましょう。

【点検項目】

・雨漏り等の跡(水染みなど) の有無

 

■屋根の点検

【点検方法】

屋根の点検は、外観や下階の屋根など目視できる範囲

※屋根に上がっての点検は危険を伴います、また、屋根材の不具合も発生してしまう可能性もあるため、専門家に依頼ください。

【点検項目】

◇瓦

・棟や平場のずれや割れ、並びの異常の有無

◇スレート

・スレートの割れ、欠け破損やずれ、棟部等の板金のはがれやさびの有無

◇金属板

・金属板の破損やずれ、浮き上がりなど、さびの有無

◇雨樋

・雨の日に落ち葉・泥等で樋がつまっていないか、軒樋は流れているか、雨水の漏れの有無

・雨樋金具の外れの有無

・軒樋のゆがみ、曲がりの有無

・継ぎ目が外れ、割れの有無

◇軒裏

・破風板・鼻かくしなどのめくれの有無

・雨漏りの跡、はがれなどの有無

 

 

■バルコニー、ウッドデッキ等の点検

【点検方法】

目視、さわる等

【点検項目】

◇バルコニー防水層

・防水工事完了後、10年経過したか

・防水表面の色褪せ、うき、ひびなどの有無

◇ウッドデッキ等

・床の反り、沈み、隙間。 

 

◇手すりなど

・アルミ、鉄部の劣化、腐食、さびの有無

・木の腐朽、蟻害の有無

・ぐらつきの有無